就寝前はリラックス。副交感神経を優位に。興奮すると交感神経優位に
副交感神経優位が大切
まず、神経の解説をしておきましょう。
今回の話には交感神経と副交感神経が出てくるのですが、これらは自律神経系に分類されます。人間には体性神経と自律神経があり、自律神経とは自分で直接はコントロールできないものです。
たとえば、腕を動かそうと考えたとき、筋肉に指令を伝えているのが体制神経系です。これは動かそうという意思で筋肉をコントロールしていますよね。
対して、心臓の鼓動は止めようと思っても止まってくれません。これは心臓は自律神経のはたらきでコントロールされているためです。
人は緊張しているとき、心臓の鼓動が早くなり、リラックスしているとゆっくりになります。これは自律神経系の2つの神経、交感神経・副交感神経が鼓動を調節するためです。
緊張しているときは交感神経が優位になり鼓動が早くなります。一方リラックスしているときは副交感神経が優位になり鼓動が遅くなります。
交感神経と副交感神経は前述の通り自律神経系ですので意思で直接コントロールはできませんが、間接的にはある程度調節できます。
例えば、
- 激しく動く・緊張感のある番組を見るなどすると交感神経が優位になり心臓の鼓動が早く
- ゆっくり深呼吸すれば副交感神経が優位になり心臓の鼓動も徐々に減っていきます。
では睡眠時の自律神経は?これは副交感神経が優位でなければなりません。安静時に優位なのが副交感神経ですから。人は激しく動きながら眠ることはありませんよね。
交感神経が優位のままでは寝付けませんし、寝ているとき副交感神経の優位が薄れると目が覚めやすくなります。
激しい遊び・TVは交感神経を優位に
では、副交感神経を優位にするにはどうすればよいのか。子供に「深呼吸してこころを穏やかに」なんて言っても無茶ですよね。
「副交感神経優位にする方法」ではなく、「交感神経が優位になる行為を避ける」ようにしましょう。
興奮したり、激しく動いたりすると交感神経が優位になります。
さらに、激しい遊びは体温も上げてしまうので、体温・交感神経の2つで睡眠を邪魔してしまいます。(体温については「入浴は寝る1時間前」にて解説。)
体を使った激しい遊びは就寝1時間前からは避けるようにし、おもちゃなど体をあまり動かさない遊びにしましょう。
テレビは、体を動かさずに済みますがこれは避けたほうが良いです。テレビは交感神経が優位になる場合が多々あります。
例えばうちの子供で実際にあった話、バラエティー番組のつっこみで頭が叩かれるシーンを見て、「頭叩いた!怖いからヤダ」ととても怖がってしまいました。大人には楽しい内容でも、子供にとっては意外と怖かったりと、刺激が強すぎることがあるんです。怖いと感じるとき、危険を感じているので交感神経が優位になります。
楽しくて、興奮する内容も交感神経が優位になります。
テレビは交感神経を優位にするリスクが満載なんです。
さらに、「寝る前にテレビ・パソコン・携帯・スマホは見せない」で書いたとおり、画面のちらつきなどが脳の覚醒レベルをあげてしまう可能性があるのでこの点からも就寝前のテレビは睡眠に悪影響を与えます。
絵本や積み木などで時間を過ごすのがお勧めですよ。
まとめ
- 副交感神経優位を保つため、就寝1時間前からは激しい遊び・運動はさせない。
- 体温を下げやすくするためにも1時間前からの激しい遊び・運動はさける。
- テレビは交感神経優位になるリスクが高い。就寝1時間前からは絵本やおもちゃなどでゆっくりと過ごす。